中部デザイン協会 デザインの仕事場におじゃまします

第4回 ファッションデザイナー 市原光好氏

今回は平成12年7月7日にJR岐阜駅に併設オープンした、TAKUMI工房内に工房兼ショップMINASAKA(みまさか)を運営する市原光好さんを訪ねました。

TAKUMI工房は世界の匠(たくみ=アーティスト)が集まって工房を開き、併設されたショップで作品を展示・販売し、アーティストによる教室も開かれるという今までに無いアート・マーケットです。そのショップ中の一つに市原さんが運営する工房?321/SHOPMINASAKAがあります。

市原さんはファッションの世界で活躍されて約40年になるベテランのアーティストです。この道に入ったのは、友人に性格がファッション向きだと薦められたのがきっかけだそうです。ご本人も若い頃からファッションに興味を持っていました。そして、20代に大阪のアパレルの訓練校で技術を習得し、その後東京の日本洋服専門学校(当時)とメンズファッション専門学校で本格的なファッションを学びました。

学校卒業後に一時既製服メーカーの「大賀」に勤めましたが、退社して出身校のメンズファッション専門学校で3年ほど講師を努めた後、メンズデザインスクール(岐阜県認定校のスクールにて6期から30期まで業界に送り出した。)で引きつずき講師として活躍しました。その間に市原さんはファッションというものに対する基本的な考え方を確立していったそうです。

メンズカジュアルの中心地

1970年~1980年代日本ではメンズカジュアルファッションが各地で注目されており、その中心地が岐阜市でした。全てのメンズカジュアルが岐阜を通じて流通されていた時代でした。

市原さんは将来を見越して岐阜にオフィスを構えました。そして、アーティストとして本格的な活動をすることになりました。振り返ってみると、講師時代に確立してきたファッションについての考え方が、岐阜の地で開花したと言います。

現在はアパレルメーカーのコンサルタントとして活躍しながら、工房兼ショップMINASAKAを運営しています。「MINASAKA」というのは市原さんの出身地である岡山にある地域名を取って銘々したそうです。

ユーザーとの直接対話

市原さんは、ファッション産業はIT産業と同様に時代の最先端ビジネスだと言います。ファッションのカジュアル化はますます進み、若い感覚でなければ変化の速さに追いつけないそうです。そのせいか市原さんは現在の年齢?にはとても見えません。

市原さんが現在ショップで進めていることは、カジュアル化の中でも人生経験が豊かな人たちに向けて、マンツーマンで接しながら質の高いオーダーメードの世界を作り出すことです。同じ感性のユーザーと直接会話をしながら納得して作品を購入してもらう、そんな毎日を送っているそうです。

日本のファッション界は60%が国民ブランドというメジャーな世界をめざし、残り40%がユーザーとの直接コミュニケーションによるビジネスになるそうです。

市原さんは言う。世界の商品が直接ユーザーに届く時代に、やる気がある若いデザイナーは国内の産地間競争というレベルではなく、世界に目を向けてほしい。そんなデザイナーたちがこれからのファッション界をリードしていくだろうと。 スピードが速いアパレル産業が主流の中で、経営と採算の可能性とバランスを考えながら、ユーザーとの直接対話という自分の信念への挑戦がこれからも続きます。


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